- 2020-1-8
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- AI, Koosha Khalvati, Rajesh Rao, オンラインフォーラム, グループ心理, ソーシャルメディア, ボランティアのジレンマ, ロボット工学, ワシントン大学, 公共財ゲーム, 意思決定プロセス, 数学的フレームワーク
オンラインフォーラムやソーシャルメディアのような、ほとんどが匿名のメンバーで構成される大規模グループにおいて、私たちはどのように意思決定をしているだろうか。米ワシントン大学の研究チームはAIおよびロボット工学で使われる数学的フレームワークを利用して、人々の意思決定プロセスを分析した。研究論文は、2019年11月27日付で『Science Advances』誌に掲載されている。
興味深いことに、人間はグループの代表となる平均的な心理モデルを作りだし、自分の行動が他人にどのように影響するか予測するのだという。一見、直観的と思われる我々の意思決定プロセスは実は複雑らしい。
研究チームは、29人の成人被験者に対して「公共財ゲーム」を複数回、課した。公共財ゲームはゲーム理論「ボランティアのジレンマ」に基づいた実験だ。プレーヤーは、自分の資産を寄付するかしないかを選ぶ。グループの寄付金額が設定値を超えた場合、分配金を受け取ることができるというルールだ。つまり、グループ全体の利益のためにコストを請け負う人が発生するというものだ。
被験者は、匿名のプレーヤーたちとコンピューター上でゲームをした。被験者には知らされていなかったが、実は他のプレーヤーたちは人間ではなく、被験者は人間の行動を模倣したマシンと対戦していた。
「我々は人間の心を垣間見て、その根底にある集団として意思決定をする計算メカニズムをほぼ分析できる」と、研究チームの一員であるKoosha Khalvati氏は語る。「大勢の人たちと交流するとき、人は平均的なグループメンバーの意思モデルをベースに、グループの未来を予測しようとすることが分かった。重要なのは、人は自分自身の行動がグループに影響を与えることも認識しているということだ。例えば、自分が他人にとって匿名の存在でも、利己的な行動がグループ内のその後の共同作業を低下させ、望ましくない結果をもたらす可能性があることに気付いている」という。
研究チームはこうした行動に数学的変数を割り当て、ゲーム中の意思決定に関する予測モデルを作成した。このモデルは、人間とやり取りをするマシンの作製に役立つかもしれないと、研究論文の上席著者であるRajesh Rao教授は考えている。
「『グループ心理』をモデル化し、その行動がグループにどのように影響するかをシミュレーションするマシンは、人間の価値と同じような行動をするような、より人間に優しいAIにつながるかもしれない」とRao教授は語る。
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