原子状酸素をプラスチック材料表面に照射、表面形状の変化により抗菌性能が発現 JAXA

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AOを照射したプラスチックフィルム(PVDF)の電子顕微鏡画像(左:表面、右:断面)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2020年2月14日、クレハと共同で、原子状酸素(AO)をプラスチック材料表面に照射することで生じる微細な表面形状変化によって抗菌性能が発現することを発見したと発表した。

原子状酸素は、国際宇宙ステーション(ISS)や地球観測衛星が飛行する高度数百kmの軌道上に多く存在し、ロケットや人工衛星などの宇宙機のプラスチック素材の表面を削り、材料の性能を低下させる原因になるとされている。

JAXAとクレハは今回の共同研究において、原子状酸素を照射したプラスチック表面に対し、JIS Z 2801「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」に準拠した評価試験を実施し、複数のサンプルで大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性が発現したことを確認した。

12時間AO照射品に対する抗菌活性評価結果(JIS Z 2801準拠、黄色ブドウ球菌)
24時間後無加工片(赤)と24時間後抗菌加工片(緑)の差が2以上で抗菌活性有と判定

原子状酸素によって削られた表面は、1µm程度の凹凸構造が形成される。このように材料表面の微細形状を変化させることで、抗菌剤などを添加せずに材料に抗菌性を付与できることが分かった。

また、今回の共同研究では、多種の材料表面に対するシンプルな後加工(追加工)プロセスにより、微細な凹凸構造を形成できることも分かった。これを応用すれば、さまざまな形状の微細構造形成を作り出せる可能性があるという。

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