高い熱電変換効率を有する単結晶熱電変換材料の開発手法を確立――熱利用のエネルギーハーベスティングの実用化に寄与 東北大

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東北大学は2020年2月25日、同大学院工学研究科 応用物理学専攻の研究グループが中国・清華大学の研究グループと共同研究を行い、高い熱電変換効率を有する単結晶の熱電変換材料を開発する手法として、単結晶への点欠陥の導入を提案し、その基盤技術を確立したと発表した。熱エネルギーを利用したエネルギーハーベスティングの実用化に寄与することが期待される。

同研究では、空孔欠陥量の制御を行うために単結晶のマグネシウム錫化合物を作製した。空孔欠陥を導入するために必要なエネルギーを増減すれば、空孔欠陥量の制御が可能となる。単結晶のマグネシウム錫化合物作製のためのアルゴン圧力を0.6気圧から1.6気圧に増加したところ、マグネシウムの空孔欠陥量を5.6%から12%の範囲で調整できることが明らかになった。

また、単結晶のマグネシウム錫化合物には、単結晶領域並びに空孔欠陥が含まれている領域(空孔欠陥領域)が混在しており、単結晶領域と空孔欠陥領域の界面が半整合界面(2つの結晶が接している界面において、おのおのの結晶の原子の配列が部分的に一致している状態)であることも分かった。

次に、単結晶のマグネシウム錫化合物のゼーベック係数、電気伝導率、熱伝導率と空孔欠陥量を比較したところ、空孔欠陥量の増加によって、わずかにゼーベック係数と電気伝導率が低くなるとともに、熱伝導率が大きく減少することが判明した。半整合界面が電気伝導と熱伝導を妨げる効果が小さいことに比べて、空孔欠陥自体が熱伝導率を低くするのに有効に働いたことを示している。特に熱伝導率は多結晶のマグネシウム錫化合物よりも低く、熱電変換効率の高い単結晶の熱電変換材料として期待できる。

同研究グループは今後、電気伝導率のさらなる向上に努めるとともに、他の化合物の単結晶への応用も視野に入れる。さまざまな分野で利用されずに排出される熱エネルギーから電力を得ることで、省エネルギー化の進展を目指す。

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