昆虫由来のバターでベルギーワッフルを焼いてみた――サステナブルなバターに関する研究

昆虫由来の成分を含むバターを使ってベーカリー製品を焼いても、味の違いがほとんど分からないという研究結果が、2020年2月5日にベルギーのゲント大学から発表された。研究内容は、『Food Quality and Preference』オンライン版で2019年8月10日に公開されている。

昆虫由来の脂質は、動物性のバターを代替する可能性があるサステナブルな原料だ。昆虫のエコロジカル・フットプリントは、動物のそれに比べてはるかに小さく、昆虫由来の脂質に含まれるラウリン酸は、バターよりも消化されやすく、抗菌効果や抗真菌効果もある。

今回研究チームは、ワッフル、クッキー、ケーキにアメリカミズアブの幼虫から採取した脂質を使用し、味を比較する実験を行った。それぞれ、バターのみを使ったもの、バターの4分の1を昆虫由来の脂質に置き換えたもの、バターの半分を置き換えたものの3種類を用意した。

これらを344人の実験参加者に食べてもらい、味の違いが分かるかを尋ねたところ、ケーキでは昆虫由来の脂質が4分の1入っていても、違いに気づかなかった。ワッフルでは、バターの半分を置き換えても分からなかったという。特に食感と色はバターと比較してほとんど影響を受けなかったとしている。

この論文では、西洋諸国でサステナブルな昆虫由来の食材を広く受け入れられるようにするためには、ベーカリー製品のような馴染みのある食べ物から始める、昆虫由来の材料を入れることが第一歩になるかもしれないとしている。

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Belgian waffles with insect fat instead of butter: is this the future?

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