プラスチックが海洋環境に及ぼす影響をレゴから学ぶ――海中で1300年も分解されない可能性

CREDIT: ANDREW TURNER, UNIVERSITY OF PLYMOUTH

英プリマス大学は、2020年3月16日、レゴブロックは最長で1300年もの間、海の中で存在する可能性があると発表した。研究成果は、学術雑誌『Environmental Pollution』において2020年2月29日付で発表されている。

研究者らは、過去10年間にイギリス南西部の浜辺での定期清掃時に回収されたレゴブロックの質量を未使用の同等品の質量と比較し、倉庫に保存されていた古いレゴブロックの年代を測定した。

この研究では、浜辺から回収したABS樹脂製レゴブロック50個を洗浄して研究室で重さを量り、サイズも計測した。

続いて、各レゴブロックの化学特性を、蛍光X線分析装置(XRF)を使用して割り出した。ブロックに使用されなくなった特定成分の存在比率から、回収したレゴブロックの製造年代を推定したという。

そして、1970年代から1980年代に購入された未使用のレゴブロックと比較して摩耗の度合いを決定し、海洋環境でレゴブロックがどれだけ長く耐えられるかを特定した。

その結果、レゴブロックは、100~1300年もの間、どのような環境でも耐えられると推定する結論を得たという。

「私たちが分析したレゴブロックは、表面のでこぼこがすり減っていて変色しており、ひびが入ったり砕けていたりした物もありました。これらのブロックは、いずれ分解されてマイクロプラスチックになる可能性もあります。私たちの研究は、潜在的な環境問題を引き起こさないために、中古品を適切に廃棄することの重要性をあらためて示すものです」と、研究チームを率いたAndrew Turner博士は語る。

本研究は、家庭で使用した物品をどのように処分するかについて再考するよう、社会に訴えるメッセージになるであろう。

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