悪天候下でも自動運転可能――MIT、地中を探査して走る自動運転車を開発

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MITコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究チームは、雨や雪のような悪天候の中でも自動走行できることを目指し、アスファルトの下を検知して走る自動運転車を考案した。研究成果は、『IEEE Robotics and Automation Letters』誌に2020年2月26日付で公開されている。

現在開発が進められている自動運転車の多くは、走行経路を監視するためにカメラやLiDARセンサーを利用している。しかし雨や雪といった天候においては充分に機能せず、安全に自動走行できないという課題がある。カメラは車線や道路標識を認識できず、センサーは空中の浮遊物を誤認識するためだ。そこで研究チームは、これまでとは全く異なるアプローチの新しい自動運転システムの開発を試みた。

研究チームが開発した「地中探査レーダー」(Localizing Ground Penetrating Radar:LGPR)は、地中レーダー(GPR)という技術を利用したものだ。地中レーダーは、建設計画や地雷探知、月探査などの分野で以前から使用されていたが、自動運転システムへの採用は今回が初めてだ。

車に搭載されたLGPRは、道路のアスファルトの下にある土や岩、植物の根といった組成を検出し、事前に作成した地図情報と照らし合わせることで自動走行を可能にする。積雪条件での走行試験では、晴天時と比べて平均誤差は約1インチ(2.54cm)という精度だった。雨天時では、降雪時よりも結果が悪かったが、それでも誤差は平均で5.5インチ(約14cm)だ。雨天時で誤差が大きいのは、地面に浸透した雨水によって、地図作成時と走行時の土壌の状態が変わるためだと考えられる。今回の走行試験は、郊外の一般道で低速で行われたが、高速道路にも対応できるという。走行試験の様子は、動画で公開されている。

ただし、このLGPRを利用した自動運転車は、公道での走行にはまだほど遠いものだ。今後、複数車線や交差点にも対応できるよう、地図データの作成が必要だ。それに現在のLGPRのサイズは、幅6フィート(約1.8m)もあるため、小型軽量化するための設計変更が必要だ。

地上の物体が検知できないLGPRだけでは、自動運転車を作ることはできないが、カメラやLiDARセンサーと組み合わせることで、悪天候でも走行できる自動運転車が開発できる可能性がある。

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To self-drive in the snow, look under the road

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