IoTデバイス向けにフレキシブルな小型熱電発電デバイスを開発――オフグリッド電源システムの社会実装につながる研究

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大阪大学は、超微細チップ実装技術を用いた小型で柔軟な熱電発電デバイス(Thermoelectric power generators:TEG)のプロトタイプを作成した。この研究は2020年3月18日、『Advanced Materials Technologies』に掲載された。

IoTデバイス向けのセンサーには、小型軽量、柔軟、低消費電力で信頼性が高いといった特性が求められる。また、動作が長期間になる場所や、電池交換が困難な深海や高所などで使われる場合、自己発電が可能な電源が必要になる。熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電変換技術は、こうしたIoTデバイス向けの有望なエネルギー・ハーベスティングの技術として注目されている。

大阪大学の研究グループは、2018年に大面積、高効率密度のフレキシブル熱電変換デバイスを開発している。今回、このデザインを保持したまま小型軽量化することに成功した。超小型の熱電半導体チップを1cm2あたり約200個で高密度に搭載し、柔軟性を高めて湾曲した熱源から熱の回収効率も高めた。これにより、低コストかつ未使用率の高い100℃以下の廃熱を効率よく回収することができる。最大出力の電圧と出力密度は、2.4Vと1cm2あたり185mWとなった。この出力電力は、ポータブルセンサやウェアラブルセンサの標準仕様を満たしている。また、本体の軽量化(総重量約0.4g)は機械的信頼性の向上というメリットもある。

この研究は、IoTを支える熱電変換を利用したオフグリッド電源システムの社会実装につながるものだ。また、ペルチェ素子としても利用でき、エンターテインメント機器や各種医療機器などへの応用の可能性もある。

研究チームは、デバイスからの可能な出力電力のおよそ40%は、接触抵抗のために失われており、今後、熱および電気接触抵抗を改善する必要があるとしている。

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