Apple、スマートリングの特許にユーザーが指す方向を検知する機能を追加

Appleは、2020年4月21日、指輪型デバイスであるスマートリング開発に関わる技術の1つとして、ユーザーが指し示す方向を検知する手法の特許を取得した。2019年に承認された特許に新たな技術が追加された形で、この特許は米国特許番号「US 10,627,902 B2」として登録されている。

特許明細書の要約によると、ユーザーはワイヤレスのリング型デバイスを使用して外部電子デバイスを制御するというもので、リング型デバイスは1本もしくは複数の指に装着して使用する。具体的には、ユーザーの手の動きをあらかじめ定義しておき、ユーザーの手の動きを基に外部電子デバイスに指示を送信する仕組みのようだ。

この発明の背景には「コンピューターや多くの電子機器の入力手法として、近年、タッチセンサー画面の使用が著しく増加しているが、既存のタッチパッドやタッチスクリーンの使用は、特定のタスクやアプリケーションでは扱いにくかったり、不便だったり、非効率だったりすることがある。例えば、ユーザーの手が別の作業に占有されている場合や、ユーザーが画面を見やすいようにデバイスを長時間保持して手や腕が疲れるような場合がある」と書かれており、概要には「外部電子デバイスとの相互交信および/または外部電子デバイスを制御するための、より速くより効率的な方法やインターフェースを有する電子デバイスが求められている」とある。Appleがスマートリングに持たせる機能に大きな期待が持てそうだ。

リング型デバイスのデザインについては、リング部分にコンピュータープロセッサが収められ、タッチスクリーンを有すると説明されている。特許明細書で公開されている図によると、人さし指にリングをはめ、人さし指の動きを感知すると共に、親指でリングのタッチスクリーンを触って指示を出せるようにするデザインのように見受けられる。

リング型デバイスにはマイクロフォンも搭載され、音声コマンドも認識。ハプティックアクチュエータも複数搭載し、リングから振動が指に伝わる仕組みのようだ。その他に、ワイヤレス給電受信回路や生体認証センサーを搭載することも記されている。

リング型デバイスを使って離れた場所にある電子デバイスを制御する方法については、タッチスクリーンに触れる方法や、音声入力、タッチスクリーン上での手書き文字入力、指をさすなどのジェスチャーによる指示を認識できるような仕組みだという。

スマートリングとして世の中に発表される際には、家やオフィス環境にある他の電子デバイスを制御するコントローラーとして機能し、ユーザーの指先の動きだけで重要な情報を伝達できるツールになるのかもしれない。新しい通知が届いたことをリングの振動で把握したり、指のフリック動作で正面玄関のロックを解除したり、照明を簡単に点灯したり消灯したりするといった新機能が想像できる。

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United States Patent: 10627902
United States Patent and Trademark Office – Patent #: US010627902

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