切り紙技術を用いた形状変化するバルーン――ソフトロボットへの応用も

Image courtesy of the Bertoldi Lab/Harvard SEAS

ハーバード大学は、2020年7月7日、日本の切り紙技術を元に、周期的な切り込み配列を持つ弾性シートをデバイスに埋め込み、デバイスを膨らませた時に出来上がる最終形状をコントロールする技術を開発したと発表した。研究成果は『Advanced Materials』に2020年7月6日付で発表されている。

切り紙は、個々の切り込みが2次元表面上の画像におけるピクセルのような役割を持ち、立体の全体像を作り上げる。研究者らは、切り込みの幾何学的パラメーターを調整すると、複雑な3次元形状を制御し埋め込むことができることを発見した。例えば、ピクセルの2つのパラメーターを変えるだけで、曲げ、ねじれ、拡張など、さまざまな種類の複雑な形状をプログラムできるという。

研究者らは、このようなパラメーターを用い、幅や高さが異なるピクセルを組み合わせたり、特定のピクセルを完全に削除したりして、最終目的の形状を作り出す逆アルゴリズムを開発。実際に、カボチャの形を凸凹まで含めて再現するようプログラムして、形状の再現に成功した。他にもヒョウタン、フックや花瓶なども切り紙バルーンで再現した。開発したアルゴリズムを利用すると、どのような形状でも模倣できる汎用性があることを実証したという。

今後は、この開発した切り紙バルーンをソフトロボット向け形状変化アクチュエータとして使用することを目指すとしている。ごく小さなサイズの手術装置から宇宙探査用の大規模構造物まで、さまざまなスケールの構造物設計への応用が期待される。

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