アメリカの工業デザイナーJoe Harmon氏は、内装のみならずボディやシャシーに至るまでふんだんに木材を用いた2人乗りのスーパーカー「Splinter」を作り上げた。完成までに9年を費やし、作業にかけた時間は約2万時間という、血と汗と涙の結晶だ。
この木製スポーツカーは、Harmon氏がノースカロライナ州立大学大学院に在籍していたときのプロジェクトがきっかけで生まれた。「木材は、生分解性を持つ天然の再生材料であり、スチールやアルミと比べても強度重量比に優れている。何より、木材は美しいし、作業は楽しい」と、話している。
車両全体のおよそ90%に木材を用いたという。工学的な観点からおよそ20種類の木材を選び、シャシーの大部分にはバーチとメープル、ホイールはウォルナット、ボディ表面にはチェリー材なども使用している。やすりがけは大変だったようだが、さまざまな木材が織りなす模様は非常に美しい。
車体には7リッターのスモールブロックV8エンジンを搭載し、出力は約650HP、トランスミッションは6速マニュアルだ。理論上は時速200マイル(300km)も可能だが、実際そこまでは出せないだろうとのこと。現在の最高速度は時速30マイル(約48km)とされている。また、ドアがないため乗り降りにはコツがいるようで、動画では、窓枠から滑り込むように乗り込む姿が確認できる。
このSplinterは快適でも実用的でもないが、木材の持つ大きな可能性を示している。
関連リンク
Splinter – The World’s First Wooden Supercar | RIDICULOUS RIDES