太陽誘電、全固体リチウムイオン二次電池を開発――積層セラミックコンデンサの技術を応用

太陽誘電は2019年12月10日 、積層セラミックコンデンサ(MLCC)のプロセス技術などを活用した全固体リチウムイオン二次電池を開発したと発表した。全固体リチウムイオン二次電池は、従来のリチウムイオン二次電池の電解液を固体に置き換えたもので、従来のリチウムイオン二次電池が持つデメリットを解消している。

一般的なリチウムイオン二次電池は、電解質に液体やポリマーを使用しており、セパレーターや外部パッケージなど容量に寄与しない部分があり、小型化などの課題となっていた。しかも、電解液が分解されると、有害物質の放出のほか、ショートによる異常加熱や発火などの危険があった。

そこで太陽誘電は、MLCCで培った材料技術やプロセス技術などの応用により、独自の酸化物系固体電解質セラミックスを使った全固体リチウムイオン二次電池を開発した。この二次電池はセパレーターなどが不要で、積層プロセスを使うことで、小型化と大容量化を両立できる。また、大気に含まれる水分や二酸化炭素とほとんど反応せず、電解液を使用していないため、燃えることもない。

MLCCと同等となる4532サイズ(4.5×3.2×3.2mm)から1005サイズ(1.0×0.5×0.5mm)を中心に、2020年度中にサンプル出荷を開始し、2021年度中に量産を開始する予定だ。

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