スマートウォッチやリストバンド向けの組み込み型エナジーハーベスタを開発――歯車を電磁部品に替えて小型化と高出力化を実現

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香港中文大学(CUHK)は、スマートウォッチやリストバンドなどへの給電に十分な電力を出力する組み込み型環境発電機(エナジーハーベスタ)を開発した。小型デバイスはそのサイズから搭載できるバッテリー寿命に制限があったが、この研究はその壁を打ち破るものだ。詳細は、『IEEE/ASME Transactions on Mechatronics』に2020年10月20日付で掲載されている。

従来の腕時計では、歯車で人間の動きによる振動を増幅し、機械的エネルギーを電気に変換してエナジーハーベスタで出力を強化している。しかし、精密に製造する必要があるほか、歯車の機械的摩擦によるエネルギー損失や、機械が故障に見舞われることがあるといった問題があった。

そこで、研究チームは歯車を電磁部品に置き換えることを考えた。今回開発された組み込み型発電機は、モーションキャプチャーユニット、磁気周波数アップコンバータ、発電ユニットを同軸トポロジーで備えている。磁気周波数アップコンバータを利用して人間の動きによる振動を増幅し、効率的に電気エネルギーに変換できるようにしたので、出力電力を大幅に向上させることができたという。エナジーハーベスタの総容積は5cm3と非常にコンパクトだが、1.74mWの出力が可能だ。出力密度は既存のデバイスの10倍となっている。

機械部品である歯車とは異なり、磁気周波数アップコンバータは伝達に磁力を使用するため、機械的摩擦によるエネルギー損失を防ぐことができる。さらに、磁気伝達はデバイスを衝撃から保護することも可能だ。

高出力で出力密度が高いこの環境発電(エナジーハーベスティング)システムは、スマートウォッチなどに簡単に組み込むことができ、持続可能な電力供給をもたらす。また、磁気周波数アップコンバーターは、構造が単純で低コストなので、将来的にはデバイスの商品化に役立つだろうとしている。

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