コイのウロコをヒントに、飛行機が受ける抗力を下げる

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ロンドン大学シティ校の研究チームは、魚のウロコの並び方が、表面摩擦抗力の低減につながっているという研究結果を発表した。航空機に応用すれば、より低燃費で高速の飛行が可能になる。研究結果は、2020年9月3日付けの『Nature』、2019年8月30日の付けの『Journal of Experimental Biology』に掲載されている。

空気力学を研究するChristoph Bruecker教授らのチームは、自然界の構造を模倣しながら、持続可能な輸送について研究している。航空機の性能にとって、抗力の低減は重要な問題だ。研究チームは水中に目を向け、魚が効率的に泳ぐ方法に着目した。

魚類に関する研究では、サメの皮膚を覆う小さな歯のような突起を持ったウロコが抗力を抑えるとして知られているが、比較的小型の魚におけるウロコの配置とその役割については研究があまり進んでいないという。魚のウロコは、流体が層流から乱流へ遷移する位置を遅らせる可能性があり、抗力を減らせるという仮説が立てられている。そこで研究チームは、シーバスとコイを使って、葉状鱗(ようじょうりん)と呼ばれる円形のウロコの効果を調べることにした。

研究チームは実際のウロコ表面を流れる液体の動きを可視化し、計算流体力学(CFD)シミュレーションとも比較した。さらに、人工ウロコを3Dプリンターで製造し、独シュトゥットガルト大学の層流水路装置を使って、滑らかな平面プレートと人工ウロコで覆った平面プレートの比較実験から、遷移位置の遅延に関する仮説を検証した。

その結果、重なり合うウロコが流体のジグザグ運動につながることが判明した。これにより、周期的な速度変調と、すじ状の流れが発生し、乱流につながるTS(Tollmien-Schlichting wave)波が抑制され、結果的に、表面摩擦抗力を25%以上減らすことができたと報告している。

今回の結果は、表面粗さがバイパス遷移を促進するという概念とは対立する。その代わり、ウロコはボルテックス・ジェネレーター(vortex generator)を並べる場合と同様に、ベース流の安定性が増していることが分かった。

研究チームは、このようなウロコの構造を航空機に応用すれば、超低燃費もしくはゼロエミッションのフライトも可能になるだろうとしている。

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