- 2020-12-2
- REPORT, 電気・電子系
- CEATEC 2020, CEATEC 2020 ONLINE, Cota, Ossia, 丸文, 空間伝送型ワイヤレス電力伝送技術
エレクトロニクス商社の丸文は、2020年10月20日から10月23日までオンライン開催された「CEATEC 2020 ONLINE」において、同社がパートナーシップ契約をもつOssiaの独自無線給電技術「Cota」を出展した。
近年増加するIoT機器、特にワイヤレス環境で使われる小型軽量デバイスにおいて、電源の確保は重要な課題だ。定期的な電池交換や充電ケーブルを接続して充電していたのでは、利便性が高いとは言えないだろう。充電パッドなどによる非接触充電技術もあるが、移動中には充電できないという課題もある。
Cotaは、充電ケーブルや充電パッドを使うことなく、Wi-Fiのような無線技術を用いて、室内や倉庫など一定の空間内にある複数デバイスに、同時に電力を供給することができるワイヤレス給電技術だ。
Cotaでは、以下のようなプロセスでデバイスに対して電力を伝送している。
1. デバイスに組み込まれたレシーバーチップが弱電力ビーコンを発射してトランスミッターを検索する
2. トランスミッターは、フェイズドアレイアンテナで受信したビーコンの位相を検出し、各アンテナから逆位相で電力をレシーバーに伝送する
電力の伝送は受信した経路と逆の経路で送信される。複数の経路を使い、かつレシーバーに対する「Pinging」は最大毎秒100回行われるため、移動するデバイスも追従しながら電力の伝送が可能だとしている。
Cotaの主な特徴は以下の通り:
・物理的に離れた位置への電力伝送が可能
・機器の間に遮蔽物があっても電力伝送が可能
・受電対象機器の移動に追従して充電が可能
・複数機器を認識して同時給電や対象機器を選択しての給電が可能
・Wi-FiやBluetoothと同様の安全性
特に安全性について、レシーバーを検出するビーコンは壁面で反射するが、人体やペットに当たると吸収されるため、その結果、トランスミッターから逆方向に送信される電力は人体やペットを避ける経路で伝送されることになる。同社では、電力伝送経路をソフトウェア制御で決めるのではなく、Cotaの技術的な特性自体が、生体に安全な経路を選択するようになっているため、より安全性が高いとしている。
なお、国内におけるWPT制度化第1ステップでは、無人の屋内天井設置に限定される見込みとのこと。