自動車向け大型二次電池の世界市場、2030年に約15兆円規模に――EV向けが市場をけん引 富士経済調査

富士経済は2019年8月26日、自動車向けおよび電力貯蔵向け大型二次電池の世界市場調査結果を発表した。

同調査では、2018年の自動車向け二次電池市場は3兆9174億円、2030年には3.8倍の14兆9610億円に達すると予測する。

自動車向けの駆動用ではリチウムイオン二次電池が中心となり、中国での需要をはじめEV向けが伸長している。駆動用のみで2018年の2兆1750億円から2030年には12兆7631億円に達すると見込む。内燃車やアイドリングストップ車向けとなる補機用は鉛電池が多くを占め、2020年に一旦需要がピークアウトするものの、その後環境自動車向けに欧州や中国での需要が伸び、2018年の1兆7424億円から2030年度には2兆1980億円に拡大すると予測する。

電力貯蔵向け市場は、導入補助政策や大規模な実証実験などを背景にして拡大し、2018年の8187億円から2030年には1兆8819億円に達すると予測する。

多くの分野で採用されているリチウムイオン二次電池は、生産ラインの稼働率向上に伴う量産効果や、EV分野などにおける価格競争激化によって価格が下落傾向にある。それに伴い、大規模案件や長時間容量用途などへの採用が拡大。さらに火力発電所やガスタービン発電所との連携や、急速充電器/充電ステーションのピークシフトやピークカットなどの新たな用途への展開も進みつつあり、市場は一層拡大すると予想している。

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