液体アンモニア噴霧の安定燃焼に成功――アンモニアガスタービン発電の実用化に近づく 東北大

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東北大学は2020年12月17日、東北大学流体科学研究所、IHI、産業技術総合研究所が共同で、高温旋回空気流を用いて液体アンモニア噴霧を安定燃焼させることに成功したと発表した。温室効果ガスを排出しないアンモニアガスタービン発電の実用化に向けて大きく前進したという。

アンモニア(NH3)は、水素(H2)と同様に、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料として期待が高まっている。研究グループは産業技術総合研究所との共同研究により、気体アンモニアを燃料とするマイクロガスタービン発電に成功しているが、ガスタービンに気体アンモニアを供給するために必要となる補器のコストと運転に必要なエネルギーがアンモニアガスタービンの実用化を進める上で問題となっていた。

そこで研究グループは今回、ガスタービン燃焼器のモデルである旋回流燃焼器で、高温旋回空気流中に液体アンモニアを噴射する方法により、純アンモニア噴霧火炎と天然ガスの主成分であるメタン(CH4)と混焼させたアンモニア噴霧火炎を安定化させた。液体アンモニアは、燃焼器底部中心から噴射している。

アンモニアは、燃焼速度が天然ガスなど炭化水素燃料に比較して遅く、火炎安定が難しいことに加え、アンモニア噴霧が蒸発する際にアンモニアの大きな蒸発潜熱のため温度が急激に低下する問題があり、燃焼が困難になっていた。

そこで気体アンモニア燃焼の研究実績をもとに、空気流の旋回強度を高めた燃焼器を用い、温度を500Kまで高めた予熱空気を供給することで液体アンモニア噴霧火炎を安定化。メタンを予熱空気流に混合してアンモニアとの混焼とすることにより、広い燃料濃度範囲で火炎が安定することも示したという。

今後も研究グループは、脱炭素社会早期実現のための技術開発を進めていく。小型、中型ガスタービンではCO2排出のない発電をアンモニア噴霧燃焼によって実用化し、大型ガスタービンでは現在の液化天然ガス燃料を液体アンモニアで徐々に置き換えていくことにより、燃料アンモニアの早期導入が図れるとしている。

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