人間の意思決定に対するロボットの関与に関する研究――ロボットの励ましも人の心に響く反面、危険な行動を促す恐れも

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仲間から励まされると、辛いことでも乗り越えようと頑張れる。一方、危険な行為だと分かっていても仲間からけしかけられて、ついやってしまうこともある。もし、けしかけてくるのが人ではなくてロボットのPepperでも、私たちは彼らの言うことを聞くのだろうか?

英サウサンプトン大の研究チームによれば、ロボットの関与は人間の意思決定にプラスにもマイナスにもなりうるという。研究結果は、2020年11月18日付けの『Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking』に掲載されている。

実験には180人の学生が参加し、「BART(Balloon Analogue Risk Task)」テストに参加した。BARTは、コンピュータ画面上に示された風船を膨らませる実験だ。キーボードを押すと風船が膨らむのと同時に、プレーヤーの「貯金箱」にコインがたまっていく。ところが、風船は急に割れることがあり、風船が割れると貯金も失う。プレーヤーは割れる前に貯金を「現金化」して、新しい風船に移ることもできるというルールだ。

学生らは比較のために3つのグループに分けられた。1つ目のグループ(コントロール群)は、一人でテストを受ける。2つ目と3つ目のグループは、ロボットのそばでテストを受ける。2つ目のグループのロボットは説明だけして後は静かにしているが、3つ目のグループ(実験群)のロボットは実験中も「もっと膨らまそうよ!」などと話しかけてくる。今回の実験に、ソフトバンクのロボットPepperを使用している。

その結果、ロボットにけしかけられた3つ目のグループが、一番風船を割ってはいたが、一番コインを獲得もしていた。残りの2つのグループの結果には、明らかな差がなかった。

「コントロール群は風船が割れるとリスクを押さえようと行動するが、実験群は風船が割れても変わらずリスクを取り続けた。リスクを取るようにロボットから直接励ましを受けると、参加者の経験と本能は押し切られるようだ」とYaniv Hanoch准教授は語る。

今回の結果は、2つの相反する側面を示している。ロボットが人間に危険な行動を促す恐れがある一方で、例えば学校現場における喫煙問題などは、ロボットやAIを使うことで解決できる可能性がある。

研究チームは、デジタルアシスタントやスクリーンアバターといったほかのAIシステムも同様に人間へ影響を及ぼすか確認するため、さらなる研究が必要だと考えている。

関連リンク

“The Robot made me do it”: Robots encourage risk-taking behaviour in humans

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