米陸軍、重量級の軍用トラックを降下させるパラシュートシステム技術を試験中

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アメリカ陸軍は2023年2月23日、軍用トラックを戦闘可能な状態で空輸し、パラシュートで投下させる技術を試験していると発表した。この試験は、アメリカ陸軍がパラシュート試験の拠点として使用する、アリゾナ州のユマ試験場で実施中だ。

従来、車両や重量の大きなペイロードを輸送機に積載する際、それらの下に敷くスチールパレットには、ハニカム状の段ボールを緩衝材として使用していた。ただしこの部材は、パラシュートで完璧に着地した場合でも、地面との衝突で崩壊するという課題があった。

試験中の技術は「Rapid Rigging De-Rigging Airdrop System(RRDAS)」と呼ばれる。10個の再利用可能なエアバッグモジュールで、パレットへの着地の衝撃を分散させるため、必要な緩衝材の量を劇的に削減できる。

このエアバッグは、地上から約230mの高さで膨張する。耐荷重は約10トンで、戦闘用装備を積載した車両にも対応できる。ハニカムの減少によって、装備を取り付ける「リギング」の作業時間を25%、リギングを解除する時間を40%削減して作戦行動を短縮する。

さらに、パラシュート降下する車両は、側面から展開する補助的な脚「アウトリガー」を装備する。着地時に車両が転倒する恐れが生じた場合には、このアウトリガーが飛び出して、転倒を防ぐ。

RRDASの開発テストは2023年後半に終了し、実戦投入は2025年度に予定されている。

関連情報

US Army tests cutting edge parachute system | Article | The United States Army

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