さまざまな形状/材質に貼付でき、発光素子の発光強度を高めるナノアンテナシールの開発に成功 京都大学

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京都大学は2021年1月15日、同大学大学院工学研究科の田中勝久教授らの研究グループが、さまざまな形状の基板に自由に切り貼りでき、発光素子に貼ると発光をより明るくできるナノアンテナシールを開発したと発表した。

ナノアンテナとは、ナノサイズの金属粒子を基板上に周期的に並べた二次元構造のことだ。光を平面内に強く閉じ込めたり、特定の方向へ集めたりする性質がある。

研究グループはこれまで、黄色蛍光体基板の上にナノアンテナを作製し、青色レーザーと組み合わせて指向性白色光源を設計試作していた。しかし、このナノアンテナ技術は、どの基板の上にも作製できるわけではなく、高度な複数の工程が必要となることから、全ての工程に適合する材質や形状に厳しい制限があった。そこで研究者らは、多くの材料に自由に貼れて機能を発揮するナノアンテナシールの開発を進めた。

まず標準的な基板の上にナノアンテナを作製し、それを樹脂に転写するプロセスを開発した。転写のため、基板とナノアンテナの間に犠牲層と呼ばれる層を挟む工夫を凝らしたという。

犠牲層の上にナノアンテナを作製した後には、シールの材料となる樹脂を上から流し込み、金属ナノ粒子の周囲に充填。その後、犠牲層を水に溶かしてナノアンテナを基板から樹脂に写し取った。

樹脂として適度な粘着性伸縮性を持つポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いたことで、特別な処理を施さずに、有機材料から成る基板や曲面/凹凸のある面にも繰り返し貼って剥がせるナノアンテナシールの作製に成功したという。

研究グループによると、このナノアンテナシールを黄色蛍光体基板上に貼ったところ、正面方向に3倍程度の発光強度の増加が見られたという。

現状でのシールの性能は、直接作製したナノアンテナの半分程度だ。研究グループは今後、直接作製したナノアンテナの性能に迫るシールの開発を進めていくとしている。

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