鉄と同じ硬さでアルミ並みに軽い複合素材「AC-Albolon」、溶湯鍛造法の応用可能性の拡大へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アドバンスコンポジットは2021年2月25日、複合素材「AC-Albolon」を成型する技術のうち、「沈降法」と「プレス法」と呼んでいる2種類の技術で新たに国内特許を取得したと発表した。既に国内特許を取得している「粒子充填法」に加え、新たに国内特許を取得したことになる。

AC-Albolonは、溶湯鍛造法という技術を用いて成型する新しい複合素材だ。アルミニウムと比較して高強度(引張強度)を保ちながら、アルミニウムと同程度の密度を持ち、軽量化ができる利点を持つ。

粒子充填法、沈降法、プレス法の仕組み図

粒子充填法は、最も簡便で工程が少なく、成型しやすいため、生産性が高い。同技術では、セラミックス粉末を鉄でできた升状の型枠につめ込み(充填し)、振動をかけて充填した粉末を締め固めた状態で型枠ごと高圧プレス機の金型の中に置く。その上から溶湯したアルミ材料を注ぎ込み、上から圧力をかけてセラミックス素材の中にアルミを含侵させ、複合化する。それが冷え固まるとAC-Albolonになる。

この技法では、セラミック粉末に溶湯アルミを流し込み、加圧して成型することで粒子が流動するため、成型後に「メタルフロー」と呼ばれる筋やマーブル(大理石)状の模様が微妙に浮き出ることがあるというデメリットがあるという。

沈降法は、セラミックスの粉末粒子をバインダと呼ばれる流動素材と混合し、振動をかけながら液体の中で沈ませることで固め、凝結した板状の固形物を作る。この固形物を焼き固め、形状の安定と強化を図ったプリフォームを作り、高圧プレス機の金型の中にプリフォームを置いて、上から溶湯したアルミ素材を注ぎ込み、圧力をかけアルミをセラミックス内に含侵させてAC-Albolonを作り出す。

粒子充填法に比べて追加工程と作業時間に手間をかけており、液体にセラミック素材を沈めて定着させ、その後に焼成する時間が必要となる。より強固となったセラミック素材のプリフォームにアルミを含浸させるため、メタルフローの発生は皆無となっている。外観上の品質や最先端技術/特殊用途の要求にも耐えうる素材となっており、AC-Albolonが利用できる産業分野や応用範囲を広げることができるという。

プレス法は、粒子充填法と沈降法の両方が持つ利点を合わせている。プレス成型機金型にセラミックス粉末を充填(複合素材の使用目的によりバインダも混合)し、プレス圧をかけて凝固させ、それを焼き固めて板状のプリフォームにするという。

この手法は、振動を加える工程や沈降に必要な時間を省け、メタルフローの発生も抑えられるが、セラミック粉末を圧力で固めるプレス成型機の能力/規格に依存する。また、現時点ではプリフォームそのものは大きく成型できない。しかし、用途が限定されるものの、沈降法と同様に強度が高くメタルフローなどがない状態のAC-Albolonを高い生産性で大量供給できるという。

AC-Albolonの部品や治具への応用例。空気圧縮機用スクロール

AC-Albolonの部品や治具への応用例。半導体製造装置用治具

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る