UCLAの研究者がガラスを金属のように強靭にする理論を発表――耐破壊性の世界記録を樹立

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米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とデンマークのオールボー大学の研究者らは、原子レベルのコンピューターシミュレーションによって、既存のガラスよりも延性があり、強靭で耐久性のあるガラスの開発への道を開いた。研究成果は、耐力窓やその他のガラス構造を備えた建物の設計において、新しい手法の先駆けとなる可能性がある。さらに、強靭でありながら非常に柔軟性の高い電子スクリーンや光ファイバーに使用されるガラスや、自動車用飛散防止フロントガラスにも変革をもたらす可能性がある。

研究者らは原子レベルでのシミュレーションを行い、他の方法では見えないミクロの世界にアクセスし、「エネルギーランドスケープ」という概念を用いて、物質のエネルギーを地形の表面に例えて表現した。これは、地形図で山と谷の高度差を示すのと似ている。

UCLA Physics of Amorphous and Inorganic Solids Labの所長、Bauchy准教授は「観察結果に基づき、無秩序な材料の脆性と延性の性質は、エネルギーランドスケープの粗さで表現されていることが明らかになった。急峻な山と深い谷が混在する 『粗い』エネルギーランドスケープを持つ材料は、滑らかで平坦なエネルギーランドスケープを持つ材料よりも脆い」と語る。

研究グループは、この理論的研究結果を基に、既存のガラスよりも脆性の低いガラスを開発。ガラスの透明性を維持しながらも耐破壊性で世界記録を樹立した。これは現在のスマートフォンの保護スクリーンより2倍の耐久性があるという。研究成果は2021年4月6日付で『ACS Applied Materials & Interfaces』誌にオンライン掲載されている。

今回の研究ではガラスに着目したが、ゲル、セメント、金属ガラスや半導体材料など、広範囲の無秩序な材料に対しても同理論が適用できるという。

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Bond Switching in Densified Oxide Glass Enables Record-High Fracture Toughness

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