中国CATLがナトリウムイオン電池を発表――低温特性を生かしLIBとの混載も可能

中国CATL(Contemporary Amperex Technology)は2021年7月29日、同社の第1世代ナトリウムイオン電池(NIB)を発表した。高エネルギー密度、高速充電、低温性能を特長とし、NIBとLIB(リチウムイオン電池)とのミックスアンドマッチ技術も明らかにしている。輸送システムの電化を促進し、極低温地域やエネルギー貯蔵分野での利用を見込んでいる。2023年までに基本的な産業チェーンを確立する予定だ。

NIBはLIBと動作原理は同じだが、NaイオンはLiイオンと比べて体積が大きいため同じ負極材が使えず、また安定性への要求が高いなど、NIBの産業化にはいくつか課題を抱えている。同社は負極に多孔質構造を備えたハードカーボンを用い、正極の材料を最適化することで、急激な容量低下に対処し、優れたサイクル性能を可能にした。

今回発表した第1世代NIBは、高エネルギー密度、高速充電、優れた熱安定性と低温性能、高集積効率といった特長を持つ。エネルギー密度は最高160Wh/kg、室温では15分で80%まで充電可能で、-20℃の低温環境でも90%以上の容量を保持し、集積効率は80%以上に達するとしている。さらに、次世代NIBでは200Wh/kg以上のエネルギー密度を目標に掲げている。

また、LIBとNIBを並列に接続して1つのパッケージに集積した「ABバッテリーパックソリューション」も合わせて発表した。NIB単体では劣るエネルギー密度を確保し、一方でLIBよりも優れたNIBの低温性能を活用することで、Li-Na電池システムの用途拡大を見込む。

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CATL Unveils Its Latest Breakthrough Technology by Releasing Its First Generation of Sodium-ion Batteries

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