紙製アンテナを使用したプラスチックフリーのICタグラベルを開発――通信性能を維持し、従来品比20%の薄型化 凸版印刷

環境配慮型ICタグラベル用の紙のアンテナ基材

凸版印刷は2021年10月4日、同社のUHF帯ICタグ「SMARTICS-U」シリーズの新製品として、紙をアンテナ基材に用いたプラスチックフリーの環境配慮型ICタグラベルを開発したと発表した。

ICタグのアンテナは、基材上に導電性インキを印刷して形成するが、従来アンテナ基材に紙を使用すると通信距離が短くなり、十分な通信性能を得ることができなかった。しかし同社が開発した独自技術により、通信性能を維持した紙のアンテナを開発したことで、プラスチックフリーのICタグラベルの開発に成功した。

左:環境配慮型ICタグラベル,右:紙基材のアンテナ

同製品のアンテナ基材は、継続可能な森林管理を目的とした森林管理協議会(Forest Stewardship Council)の認証制度であるFCS認証を取得した紙を使用。従来品と比較して100万枚で約110kgのプラスチック樹脂削減につながるという。

独自設計により従来品より20%薄型化。また、ICタグラベルを剥がそうとするとラベルが破壊されることで、ラベル再利用による偽造を防止する機能も持つ。

販売は2021年10月からで、価格は従来の紙アンテナを使用していないICタグラベルの約10%増しとなる。同製品を含めたSMARTICS-Uシリーズと関連サービスの販売によって2025年度に約30億円の売り上げを目指す。

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