自己密着性を持つ新素材「溶剤系 特殊ポリオレフィンコート剤」の市場開発を開始 三井化学

左:特殊ポリオレフィンコート剤、右:本剤を塗布したPMPフィルム

三井化学は2021年10月11日、自己密着性およびガス透過性を発現できる新素材コート剤「溶剤系 特殊ポリオレフィンコート剤」の市場開発を開始すると発表した。

同コート剤は、基材に塗布して乾燥成膜後にコート面を重ねて数秒押すとくっつく「自己密着性」を有する新素材だ。温度を上げるとより密着する。この特性を生かして同社では、面ファスナーでは難しかった歪曲面の密着や、縫製の手間の削減、着脱時の異音の抑制、さらに素材の質感を生かしたデザイン設計など、衣料分野への展開の可能性を検討している。

また、同コート剤をPMP(ポリメチルペンテン)と組み合わせることで、PMPのガス透過性を維持したままヒートシール性を付加することができる。一般のフィルム同様に液体や菌を通さず気体のみを透過し、しかも特定のガスを選択的に高く透過するので、ヒートシールパッケージに適している。この特性では、細胞培養キットの保護や、医療器具パッケージ、特定ガスの分離膜などの産業用分野での用途を考えているという。

PMPフィルム(50µm)のガス透過性<コート剤膜厚3µm>

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