世界初となる100%バイオマスプラスチック保持器を搭載した深溝玉軸受を開発 NSK

日本精工(NSK)は2021年11月18日、世界で初めて100%植物由来の耐熱バイオマスプラスチック保持器を搭載した深溝玉軸受を開発したと発表した。エアコンファンモータ用軸受として、100%バイオマスプラスチック保持器の初の製品化となる。

エアコンの空気を室内に送りだすファンモータには軸受が使用されていることから、同社は環境に優しいバイオマスプラスチック保持器を軸受に適用した。バイオマスプラスチック保持器には、トウゴマを材料としたバイオマスプラスチック「EcoPaXX」を使用している。

開発期間は、リアルデジタルツインの解析によって短縮。寸法、形状/変形、欠陥/成形不良、強度を評価し、短期間で従来のエアコンファンモータ用保持器と同等品質の保持器を試作した。

開発した軸受は、静音性、低摩擦に関する機能評価実験を実施。エアコンのファンモータ用の軸受は信頼性に加え、静音性や低摩擦が求められるが、従来のプラスチック保持器と同等の性能を持つことが確認でき、従来品からバイオマスプラスチック保持器に置き換えできると判断した。

プラスチック保持器は鉄保持器に比べ、軽量、低摩擦、複雑な形状に対応するという3つの特長があり、小型軸受を中心に広く採用されている。開発したバイオマスプラスチック保持器によって、新たに「カーボンニュートラル実現への貢献」という価値を提供する。

新興国の中間所得層の増加や、新型コロナウイルス感染拡大による換気機能付きなどの高機能エアコンへの買い替え需要の高まりを受け、エアコンの販売台数増加が見込まれており、同社は、従来の石油由来のプラスチックに比べCO2削減効果の高いバイオマスプラスチックの採用を拡大し、開発品の売上として2024年に8億円を目指す。

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