金属粉末射出成形の国内市場規模、2018年度は10.2%増の約135億円に 矢野経済研究所

矢野経済研究所は2019年4月19日、樹脂成形技術と粉末冶金の技法を組み合わせた金属部品製造技術である金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)について調査し、その国内市場規模の推移、関連企業の動向、将来展望を明らかにした。

日本国内におけるMIMの主な対象は、複雑な形状の小形金属部品である。市場の立ち上がりは80年代後半で、当初は時計バンドやミシン、OA/事務機など、その用途は限定的だった。近年は各種産業機器をはじめ、医療機器や自動車部品、情報通信機器、ロボットなど多方面で採用され始めている。

矢野経済研究所は、2017年度の国内MIM市場を123億1300万円と推計。2018年度の同市場規模を前年度比110.2%の135億6700万円と見込んだ。同社によると、金属粉末射出成形には製造プロセスの適正化や寸法精度、価格低減などの課題が依然残っているが、その有用性は認識されており、関連メーカー各社はユーザー企業への認知を徐々に進めているという。

矢野経済研究所の調査によると、参入メーカー各社の今後のターゲットは医療機器部品と自動車部品が中心となる。医療機器部品では難加工材料のチタン、自動車部品では電動化関連の需要が注目されているという。 同社は2025年度のMIM市場規模を265億8200万円と予測する。2015年度から2025年度までのCAGR(年平均成長率)は9.78%となり、良好な成長を遂げる見込みとしている。

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