仏Renault、車体の95%をリサイクルできるEVコンセプトカーを発表

仏Renaultは2022年5月19日、水素燃料電池搭載の電気自動車(EV)「Scenic Vision」を発表した。このモデルは、同社が30年前に発売した小型ファミリーカー「Scenic(セニック)」をEVとしてリニューアルしたコンセプトだ。

機能面の特徴は、運転の傾向を分析して事故リスクを最大70%低減する「Safety Score」、危険を予測する「Safety Coach」、ドライバーの注意力低下を警告する「Safe Guardian」などがある。

環境面では、素材や部品、生産拠点、廃棄物、リサイクルなど、あらゆる領域で脱炭素化に取り組んだ。電気モーターと水素燃料電池を組み合わせた動力により、カーボンフットプリントは従来のEVと比較して75%縮小した。1回の充電による航続距離は、最長800kmだ。

特筆すべきは、リサイクルへの取り組みだ。製造段階で70%以上の部品がリサイクル素材であり、廃車時にはバッテリーを含めた95%をリサイクル可能。車両の床には、プラスチックスクラップを使用。また、使用するプラスチックの30%がバイオ由来だ。付属品類の素材には、航空産業のリサイクルカーボンを利用する。皮革素材は使用せず、低炭素ポリエステル素材で代用。燃料電池タンクは、再生紙を原料とする炭素繊維が使用される。

同社はScenic Visionを、「環境に配慮した製造工程と、車両と素材のライフサイクル全般の綿密な管理により、乗員と天然資源の双方に配慮した車」と説明する。またそのような背景から、コンセプトカーというより「コンセプトケアカー」だと呼んでいる。

関連リンク

Renault Scenic Vision: the ‘car’ in care

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