- 2022-1-20
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- Kitekraft, パワーエレクトロニクス, ミュンヘン工科大学, 凧(たこ), 安定翼, 次世代風力発電技術, 自律飛行, 角度センサー, 風力タービン, 風向計
ミュンヘン工科大学発のスタートアップ企業である独Kitekraftが2021年9月29日、凧(たこ)のように空を飛ぶ風力タービンの飛行試験に成功したと発表した。離陸と着陸以外は完全な自律飛行を達成し、100kW級の空飛ぶ風力タービンの完成に向けて大きな一歩となった。
Kitekraftは、従来の風力タービンより10倍高効率な次世代風力発電技術の開発を目指している。Kitekraftが設計した箱型の飛行機は、たこのようにロープにつながれて浮上し、8の字飛行しながら風力を集める。両翼に搭載した風力タービンから得た電力を、ロープを介して地上局に輸送し、バッテリーに蓄電するか送電網へ供給する。
使用する材料が少なくて済み、低コストという特徴がある。輸送やセットアップが簡単なのに加えて、自律飛行することも可能だ。今回の試験では、ホバーや8の字飛行などが意図したとおり動作することを確認できた。
同社は数カ月間にわたり、地上局のパワーエレクトロニクスや飛行機の安定翼、角度センサー、風向計を新たに設計して自律飛行制御用ソフトウェアの改善に取り組んできた。今後は試験から得られた膨大な量のデータを基に、ハードウェアとソフトウェアのさらなる改善と飛行テストを実施していく計画だ。