高温の配管を覆って排熱を電力に変換するデバイスを開発

Credit: Penn State . All Rights Reserved.

私たちの生活を支えるエネルギーシステムは、ビルの温水パイプや自動車の排気管から放射される熱のように、無駄な熱も発生させている。ペンシルベニア州立大学の研究者らは、これまで熱電発電機の性能を向上させる研究を行ってきた。今回研究チームらは、より高い出力と効率のフレキシブル熱発電機の新たな製造プロセスを開発した。新しいフレキシブル熱電発電機は、パイプ等の高温表面に巻き付けることができ、従来のものよりも効率的に排熱を電力に変換することができる。

フレキシブルなデバイスは、工場や住宅の配管、自動車などの廃熱源に適している。また、従来の硬いデバイスのように接着剤が不要なため、効率が低下することもないと研究者らは言う。

『Applied Materials & Interfaces』誌に掲載された論文によると、排気管で行われたテストでは、この新しいデバイスは他の最先端のデバイスよりも150%高い出力密度を示した。さらに、3平方インチ以上にスケールアップしたものは、115%の出力密度を維持し、高温の表面に配置したときの総出力は56.6Wになったという。

デバイスは小さな熱電対で構成されており、それぞれが2本の脚を持つテーブルのような形をしている。この2本の脚を持つ熱電対が多数連結され、平らで四角いデバイスとなっている。細いストリップに6つの熱電対を配置し、柔軟性のある金属箔を用いて12本のストリップをつなぎ72組の熱電対を形成。さらに、デバイスの性能を向上させるために、各ストリップの層間に液体金属を使用している。この72組のデバイスは、単一の熱電発電機で報告されている中で、最も高い出力と電力密度を示した。

ストリップ間のギャップは、パイプのような形状の周りにフィットする柔軟性を提供する。研究チームによると、このギャップにより、充填率、つまり熱電材料の面積とデバイスの面積の比率を柔軟に変更でき、さまざまな熱源に合わせてデバイスを最適化することができるという。

「何百フィートもの長さのパイプがある発電所を考えてみてほしい。もし、このデバイスをそのような大きな面積に巻き付けることができれば、通常は捨てられてしまう排熱から何キロワットものエネルギーを生み出すことができるだろう」と研究チームのペンシルベニア州立大学Shashank Priya教授は語る。

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Form fit: Device wraps around hot surfaces, turns wasted heat to electricity(ScienceDaily)
Form fit: Device wraps around hot surfaces, turns wasted heat to electricity(Penn State)

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