月面で酸素を自給自足――ESA、月の石から酸素を抽出する装置を開発

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©ESA

ESA(欧州宇宙機関)は2022年3月9日、月のレゴリス(岩石由来の堆積物)から酸素を抽出するための初の小型実験装置の設計と製造を、イギリスのThales Alenia Spaceを中心とするコンソーシアムに委託すると発表した。2030年代に実機を月面に設置する予定だ。

これまで月から採取したサンプルの解析から、レゴリスには40~45重量%の酸素が含まれることが分かっている。この酸素は、酸化物として鉱物やガラスに含まれているので簡単には取り出せないが、ESAでは過去に、レゴリスを電気分解して酸素と金属を抽出する技術を開発している。

Thales率いるチームが担当する小型装置は、サンプルから利用可能な酸素の70%を抽出することを目標とする。月の自転周期は約1カ月。装置は太陽光発電を利用するため、日の当たらない極寒の夜が来る前、10日以内に一連の動作を行う必要がある。さらに、小型で低電力、欧州大型補給着陸機(EL3)など月着陸船に搭載できることが求められる。

ESAは小型装置の開発から得た結果をもとに、より大型の月面プラントを展開する予定だ。月面プラントでは、宇宙飛行士の呼吸用や探査機の推進剤用の酸素、さらには装置の原材料となる金属の抽出を想定している

「月の石から酸素、そして使用可能な金属を抽出できるということは、月面探査におけるゲームチェンジャーになるだろう」と、システムエンジニアのDavid Binns氏は語る。地球からの供給ラインに頼ることなく、月で“自給自足の暮らし”ができるかもしれない。

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