ポストコロナ、働き方は「ハイブリッドワーク」に――新たなルール作りが急務

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、企業も従業員も働き方について考える機会が多くなった。緊急事態宣言の発出もあり、日本でもリモートワークにも注目が集まったが、世界的な動きとしては、リモートワークから、リモートワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」へシフトしてきているという。

従業員は過去2年の経験を通じて、働き方に柔軟性と対面のやり取りを望むようになり、個人的な目標と幸福を優先するようになってきている。Microsoftは2022年3月、31カ国3万1000人の調査結果、Microdft 365の膨大なデータ、LinkedInの動向解析に基づき、年次報告書「2022 Work Trend Index」を公開した。同社はその中で「2020年に家に戻って仕事をしていた人と、2022年にオフィスに戻ってきた人は同じではない」と表現している。人々が求めるものは2年間で変化し、企業がそれを理解することがハイブリッドワークを機能させるためのカギとなるだろう。

Microsoftの調査によると、53%の人は仕事よりも健康や幸せを優先する傾向があり、18%の人は昨年退職を選んでいた。Z世代、ミレニアル世代の52%は、来年に転職を考えている。LinkedInが「Great Reshuffle(大改造)」と呼ぶ現象は今後も続くようだ。

また、Microsoft 365の履歴データから、会議やチャットの時間が増えていることが分かった。実際、2020年3月と比べると、会議に費やされる時間が平均で252%も増加していた。残業も28%、休日出勤は14%増えていた。働き方に柔軟性を持たせるのは大切だが、「常時オン」である必要はない。ランチミーティングは減ったようだが、年中無休で働くのを避けるため、管理者がルールを決めて、しっかり境界線を引くことが重要だ。

現在ハイブリッドワークをしている従業員の38%は、職場にいつ、そしてなぜ行くのか知ることが課題だと考えているが、ハイブリッドワークに関する新しい取り決めを用意している企業は28%しかいなかった。また、打ち合わせに関しては、43%のリモートワーカーが参加できていないと感じており、企業側も全員が参加できるようなハイブリッド会議のルールを作っていたのはわずか27%だった。

この結果を受けて、Microsoftは「今こそ、職場の役割を再考し、誰が、どこで、なぜ対面するのか、ある程度の方向性を決める時だ」と提唱する。新しい規範を作ることで、全ての従業員がつながって仕事に携わっていると感じ、革新的に仕事を進める助けとなるだろう。また、ハイブリッドワークにおいては、関係を築くための時間を最優先し、取り残されるリスクが非常に高いリモートワーカーや新入社員をサポートしていくことが大切だとしている。

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Great expectations: A road map for making hybrid work work

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