パウダー化したエンプラを開発――多種多様な製造方法に適用可能 ポリプラスチックス

ポリプラスチックスは2022年5月11日、パウダー化したエンプラ「DURAST Powder(エンプラファインパウダー)」を開発したと発表した。

同社では、射出成形や押出成形向けにペレット形状のエンプラを提供している。市場の要求とし、「ペレット形状では不可能な製造方法においてもエンプラを使用し、製品に新たな機能を付加したい」とのニーズがあった。

同社は、パウダーという形状は一つのソリューションになると考えた。今回、特徴ある形状で、従来より高強度で微細かつシャープな粒径分布にコントロールされたDURAST Powderを開発した。

今回新たに取り扱いを開始したパウダーは、「DURAST POM」「DURAST PPS」「DURAST PBT」「DURAST LCP(開発品)」の4種となっている。

DURAST POMはポリアセタール(POM)を用いたもので、平均粒径が30~100μm、耐熱性が90~100℃。形状は不定形となっている。

コポリマーのため、熱安定性や柔軟性に優れる。また、自己潤滑性を有しており、高い耐摩耗性や剛性、弾性回復率を有する。

DURAST PPSはポリフェニレンサルファイド(PPS)を用いたもので、平均粒径が7~200μm、耐熱性が100℃。形状は不定形となっている。

高靭性や高耐熱性、耐薬品、耐放射線性を有する。また、イオン性不純物が少なく、厳しい電気特性の要求にも対応できる。金属との親和性も有しており、複合化も可能。さまざまな粒径、粒度の製品をラインアップに揃えた。

DURAST PBTはポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いたもので、平均粒径が30~100μm、耐熱性が65〜70℃。形状は不定形となっている。

強靭で柔軟性に優れるほか、吸水性が低く、広い温度および湿度範囲で優れた電気絶縁特性を有する。

DURAST LCPは液晶ポリマー(LCP)を用いたもので、形状は球状もしくは不定形となっている。平均粒径は10~50μm(球状)、50~100μm(不定形)で、耐熱性はポリマー種によって異なる。

高耐熱性、高弾性で振動吸収特性に優れる。また、流動性やガスバリア性にも優れており、吸水率も低く、高周波で安定した電気特性を有する。

今回開発したパウダーは、射出成形や押出成形以外の多種多様な加工方法に、エンプラを使用することで新たな機能をもった製品を実現したいとのニーズに応える製品である。SLS法3Dプリンターでの成形材や焼結成形による多孔成形体の作成にも適する。いずれも粒形サンプルの提供を開始した。

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