- 2022-7-10
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- Decadal Survey on Astronomy and Astrophysics 2020, アメリカ航空宇宙局(NASA), ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡, ドイツ航空宇宙センター(DLR), ボーイング747, 全米アカデミーズ, 反射望遠鏡, 成層圏赤外線天文台(SOFIA), 赤外線天体学
アメリカ航空宇宙局(NASA)が2022年4月28日に公開した投稿から、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と共同で8年にわたって継続した成層圏赤外線天文台(SOFIA)の運用を終了することが明らかになった。現在のミッションの完了をもって、9月30日までに終了する。
SOFIAは、ボーイング747-SP機を改造して2.7mの反射望遠鏡を搭載させ、高度1万1600~1万3700mほどの成層圏を飛行させる。大気に妨げられず、地表からでは観測できない天体を調査しようという試みだった。
1996年から開発に着手し、2010年に初飛行に成功。2014年には運用に必要な性能を満たした。2014年から5年間のプライムミッションを完了させており、現在は3年間の延長ミッションを遂行中だ。
しかし、全米アカデミーズは報告書「Decadal Survey on Astronomy and Astrophysics 2020」において、SOFIAの科学的貢献度は運用コストに見合ったものではないと指摘。NASAとDLRはこれを受け入れ、2022年度に予定しているミッションを終えた後、SOFIAの運用を終了する運びとなった。
SOFIAはこれまでに、月、惑星、星形成領域、近隣銀河を観測し、2020年には太陽光が当たる月面の領域に水が存在することを発見した。
今後、SOFIAのデータはNASAによって公開され、世界中の天文学者が利用できるようになる。NASAは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡をはじめ、赤外線天体学を発展させて科学的発見を増やしていく考えを示している。