NASA、静音超音速航空機「X-59」向けに地上録音装置のテストを実施

NASA/Steve Freeman

アメリカ航空宇宙局(NASA)が2024年2月22日、静音超音速航空機「X-59」の音を地上から録音する際に必要な、地上録音装置と手順のテストを完了した。

航空機が超音速で飛行すると、ソニックブームが発生する。近所での落雷や間近で鳴らされた自動車のクラクションに相当する約110デシベルの騒音になるため、アメリカなどでは50年ほど前から、陸地上空での超音速飛行を禁止するようになった。

NASAは、商用超音速飛行向けにX-59の実験機を使用して、規制緩和に必要なデータを収集していく計画であり、そのためには地上では優しく「ドスン」と聞こえる程度の衝撃音を正確に録音する必要があるという。

テストでは、アームストロング飛行研究センター近くの約50kmにわたる砂漠に合計10カ所のマイクステーションを設置。X-59の代わりに「F-15」と「F-18」航空機を使用して、特殊な逆さ急降下操縦により67デシベルほどの静かなソニックブームを再現した。

X-59の衝撃音は75デシベル程度と想定され、今回のテストで地上録音システムは冷蔵庫の作動音と同程度の50デシベルを測定できるように調整され、自動化やセットアップの過程も評価された。プロジェクトの次の段階では最大9カ月間、このような衝撃音の録音が想定されている。

関連情報

NASA Instruments Will Listen for Supersonic X-59’s Quiet ‘Thump’ – NASA

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