- 2022-11-6
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- Aldebaran Robotics, Hatice Gunes, IEEE RO-MAN 2022, NAO, ケンブリッジ大学, コミュニケーションロボット, ヒューマノイドロボット, メンタルヘルス, 双方向コミュニケーション, 子ども, 相談
子どもが学校生活や人間関係に悩んでないか、大人は「いつでも相談してね」と言う。そうは言っても、個人的な悩みを打ち明けるのはとても勇気のいることだ。
ケンブリッジ大学の研究チームは、コミュニケーションロボットが子どもたちの心を開かせ、それぞれが抱える悩みを引き出す可能性もあることを明らかにした。研究結果は、イタリアのナポリで開催された、ロボットと人間の双方向コミュニケーションに関する国際会議「IEEE RO-MAN 2022」で発表された。
コロナ禍において学校が休みになり、友達とも離ればなれになったことは、多くの子どもたちの心に影響を与えた。もちろん、以前から心の問題は少なからずあったが、子どもたちへのサポートやリソースは限られている。「母親になった私は、子どもたちが成長するにつれて自分自身をどのように表現するか、それがロボット工学に関する私の研究とどのようにオーバーラップするか、興味を持つようになった」と、Hatice Gunes教授は語る。
子どもたちのメンタルヘルスの評価に使ったのは、Aldebaran Roboticsが開発した身長58cmのヒューマノイドロボット「NAO」だ。NAOはカメラやタッチセンサーなどを搭載し、歩いたり話したりできることから、医療や介護、教育などの分野でコミュニケーションを支援するために使われることが多い。
実験には、8~13歳の子ども28人が参加し、NAOと1対1で45分間にわたり、最近の楽しい/悲しい出来事を話したり、気分や気持ちに関する簡単なアンケートに答えたりした。子どもたちは皆、NAOとの会話を楽しんでいたという。そして、従来の対面式またはオンラインでのアンケートでは秘密にしていた内容を、NAOに話している子もいた。
今回使用したロボットは小型で、愛らしい表情や親しみやすい雰囲気を持つため、子どもたちはNAOを親友のように感じたのかもしれない。秘密を共有しても、ロボットが相手ならトラブルにならないと思ったようだ。いじめの話など、より個人的な内容を打ち明ける傾向もあるという。メンタルヘルスの専門家には及ばないが、ロボットは子どもたちの心の健康状態を探るのに有効なツールになると、研究チームは考えて、今後は追跡調査もしたいとしている。
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