- 2022-12-20
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Aston大学, Jiawei Wang, Renewable and Sustainable Energy Reviews., Vesna Najdanovic, コーヒー, ナイロン, バイオディーゼル燃料, ポリウレタンフォーム, 化学工学, 微細藻類(Chlorella vulgaris sp.)
イギリスのAston大学の研究者が2022年11月1日、コーヒーの残りかすで微細藻類を成長させることにより、高品質のバイオディーゼル燃料を生産できることを発表した。
化学工学を専門にするVesna Najdanovic博士とJiawei Wang博士によるこの研究は、「Renewable and Sustainable Energy Reviews」2022年11月号に掲載されている。
従来、ポリウレタンフォームやナイロンなど、栄養分を供給しない素材上で藻類を増殖していた。両氏は使用済みのコーヒーかすを使って培養してみたところ、ほかに栄養素を加えなくても、微細藻類(Chlorella vulgaris sp.)が成長することを確認できた。
さらに藻類を1日20時間光に当て、4時間だけ暗所に置くと、最高品質のバイオディーゼルができた。このバイオディーゼルは、排出ガスが少なく、エンジン性能に優れ、アメリカとヨーロッパの規格に適合すると説明している。
Najdanovic博士は、「これは微細藻類の培養システムにおいて画期的なことです。使用済みコーヒーかすに付着した微細藻類から生まれたバイオディーゼルは、食用作物との競合を避け、新しい原料の商業化の理想的な選択となり得るでしょう。さらに、この新しい原料を使用することで、バイオ燃料の生産に必要な油を抽出するためのヤシの木の伐採を減らすことができるかもしれません」と述べている。