直径わずか40ミクロン――世界最小のクリスマスソングレコード

Credit: DTU Physics.

デンマーク工科大学(DTU)の研究チームは、直径40μmの世界最小のレコードを作製した。レコードには、定番のクリスマス曲である「Rockin Around the Christmas Tree」の冒頭25秒が記録されており、原子間力顕微鏡などで溝を読み取れば、ちゃんと再生できるという。

このレコードは、ハイデルベルグ・インストルメンツのナノ彫刻装置「Nanofrazor」を用いて作製された。Nanofrazorは、ナノスケールの分解能で3Dパターンを刻むことができ、量子デバイス、磁気センサー、電子工学などの分野で最新技術を開発する可能性があるという。

研究チームのPeter Bøggild教授は、「私は30年前からリソグラフィーに携わってきました。Nanofrazorが登場してしばらく経ちますが、まだSFの世界にいるような感覚です。これまでに、サイズ12×16μm、ピクセルサイズ10nmのモナリザの複製、DTUの創設者の肖像画をサイズ8×12μm、解像度254万dpiで作製するなど、さまざまな研究を行ってきました。私たちが取り組んでいるサイズを実感していただくために、赤血球にサインすることをイメージしてください」と、述べている。

Nanofrazorは、プリンタのように媒体にインクなどの材料を加えるのではなく、CNC工作機械のように、正確な位置で材料を取り除き、目的の形状を残していく。もちろんNanofrazorの本来の利用目的は、レコードを作成したり、有名人の肖像画を描いたりすることではない。研究チームは、生体脳の電流を検出するための磁気センサーの開発などNanofrazorを用いたさまざまな研究アイデアを持っており、既存のツールでは不可能な3次元ナノ構造体を精密、高速、低コストで造形できるようになることを期待している。

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DTU researchers have cut the world’s smallest Christmas record

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