MIT発ベンチャー、複雑な金属部品を大量生産する3Dプリントシステムを開発

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Image: Joseph Seif

MIT発のベンチャーVulcanFormsが、生産性と信頼性に優れた3Dプリンティング技術を開発し、これをベースとして複雑形状の金属部品を大量生産するデジタル生産システムを構築した。多数のレーザーが同期して作動し、最終製品の品質を維持しつつ生産性を向上する、独自開発のレーザー粉末床溶融結合法(LBPF)金属3Dプリンティングを中核として、最新のCNCマシンや後処理設備などをデジタル的に連携させるとともに、材料選択や製品設計から積層造形までを大量生産型工業プロセスとして統合するものであり、3Dプリンティングの弱点と考えられていた生産性の低さを克服することを目指している。

最先端の3Dプリンティング積層造形技術は、複雑な形状の製品の製造プロセスを革新し、新しい製品を創成する応用が拡大すると期待され、既に多くの成功例がある。しかし、製品を量産するためにはコストが高いうえ、必ずしも生産性や量産時の再現性および信頼性が確保されてないこともあり、どのように量産プロセスに統合するか模索しているという現状がある。

MIT機械工学科のJohn Hart教授および同教授研究室のMartin C. Feldmann氏は、積層造形を量産プロセスの中心とする方法について模索を重ねてきた。同氏はLBPFに着目し、レーザーを多数配置して同期作動させ、最終製品の品質を維持しつつ生産性を高めることにチャレンジした。その過程において、レーザー粉末床の溶融時に各製品の各層各位置で局所的に同一温度となり、量産時でも再現性と信頼性を確保できるような制御ソフトウェアを構築した。2015年にVulcanFormsを設立するとともに、最初の特許申請を行っている。

同社の3Dプリンターには1つの層に数百の溶融ラインがあり、そこをレーザービームが同期して移動する。精密に並んだ数十のレーザー発振器は全体として最大100kWとなり、従来の3Dプリンターでは達成できないような、複雑で高精度の製品を大量生産することができる。同時に、CNCマシンやロボット、後処理設備、モニタを備え、独自に開発したソフトウェアスタックにより、3Dプリンターと周辺設備がデジタルに連携して一体的に統合されたデジタル生産システムを構築している。

VulcanFormsには以前、スーパーコンピューター向けプロセッサーの冷却部品の製造依頼が送られてきた。それは数十の微細なトンネルがあるチタン部品であり、積層造形でなければ造れないほど複雑であったが、同社はわずか2日後にその部品を実際に造形した。同社は、チタンやスーパーアロイなどを用いた医療用インプラントや工業用工具、タイヤ金型、航空防衛産業の部品を、設計から最終製品まで数日で製造しているという。Feldmann氏は、同社開発の3Dプリンタを中核とした量産型デジタル生産システムは、色々な産業における技術革新を加速すると期待している。

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