世界初の半潜水式浮遊型の風力発電所――稼働から2年で出力78GWhを達成

風力発電所「WindFloat Atlantic」を開発したWindplusコンソーシアムは2023年1月23日、同発電所の稼働実績を発表した。フル操業の開始から2年目の2022年に、前年比で5%の出力増加となる78GWhの発電量を達成した。

この発電所の構造は「半潜水式浮遊型(semi-submersible floating)」で、基礎部分の構造物が、半分海面下に沈み込んでいる。波や潮流から受ける影響が少なく、悪天候への耐性が高い。設置形態は、3つのプラットフォームで構成され、それぞれに出力が8.4 MWのタービンを1台装備する。これらの構造物は海底にチェーンで固定され、陸上の変電所まで20kmの送電線で接続されている。

Windplusコンソーシアムには、スペインの再生可能エネルギー企業EDPR、電気・ガス事業者の仏ENGIE、石油・ガスの複合多国籍企業Repsol、浮体式洋上風力技術の米Principle Powerが参加している。

発電所の運用維持を担当する「O&M(Operation & Maintenance)」活動の拠点は、ポルトガル北部の港に設置されている。同拠点の実績は、2022年の活動に1万8000時間以上の作業が行われ、事故や怪我による離職はなかったという。

同発電所の南ヨーロッパ担当マネージャー兼プロジェクトディレクターを務めるJosé Pinheiro氏は、「この事業で得た知識と経験を活用して、障害件数を減らすだけでなく、利益創出にも貢献していく」と述べた。

同発電所の発電実績は、すでに計画の期待値を上回っている。今後25年にわたり、この実績はさらなる拡大が期待されている。

関連情報

World’s First Semi-Submersible Floating Offshore Wind Farm Exceeds Expectations | Offshore Wind

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