自律的に化学実験を行う移動型ロボットを開発――研究の効率化に寄与

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University of Liverpool

リバプール大学の研究チームは、自律的に実験を行う移動型ロボットを開発した。実際にこのロボットを運用して8日間で688回の実験を実施し、水から水素を製造するための新しい光触媒を同定した。研究成果は、『Nature』に2020年7月8日付で発表されている。

開発したロボットは移動型であり人間のサイズに合わせて設計されているため、研究室の既存の機器をそのまま使用できる。また20時間の連続運転が可能だ。

今回研究チームは、ロボットを使用して、水から水素を取り出すための光触媒を探索した。ロボットは実験室の中を動き回り、8日間にわたり688回の実験を自律的に行った。有益な成分を選択しネガティブな成分は選択しないようにして、初期配合より6倍以上の活性を持つ光触媒混合物を同定した。これは、人間が同様の実験をした場合、数カ月かかると考えられる研究成果だ。

「ロボット」と呼ばれる機器は、化学実験の分野ですでに数多く使用されている。しかし、既存の自動化システムはほとんどの場合、特定の動きをするように作られている。

研究リーダーのAndrew Cooper氏は、「今回、人間と同じように機器を扱うことができるロボットを作りました。このロボットは人間の仕事を奪うものではなく、むしろ科学者を支援し協力的なパートナーとして働くものです」と、述べている。このロボットは、光触媒の探索以外にも応用できる。研究チームは、人間の科学者とロボットのコミュニケーションを円滑にするために、今後1年半以内にロボットへ音声認識技術を付加することを計画している。

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A mobile robotic chemist

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