ハリケーンを観測するNASAの衛星「TROPICS」――Rocket Labが打ち上げに成功

米Rocket Labは2023年5月8日、熱帯低気圧の監視を目的とした衛星「TROPICS」の打ち上げに成功したと発表した。今回は、計4基が連携する「衛星コンステレーション」を構成するための、最初の2基を展開したかたちだ。

同社はこのミッションを「Rocket Like a Hurricane」と呼び、ニュージーランドの発射施設を使用した。ペイロードとして搭載した衛星TROPICSは、通称CubeSatと呼ばれる小型衛星だ。この衛星は、NASAの「Earth System Science Pathfinder」プログラムの一環として展開する。

打ち上げは、高度550km、傾斜角約30度の軌道に投入する。観測の時間分解能を最大化するために、CubeSatの各ペアはそれぞれ、地球を中心に180度反対側、等間隔の軌道面に投入する。

現行の衛星は、観測可能なタイミングの間隔は約6時間だが、TROPICSはこれを約1時間に短縮する。観測頻度を高めることで、甚大な被害が想定されるハリケーンのメカニズムをより詳細に分析し、気象予報モデルの精度改善につなげる狙いだ。

Rocket Labの創設者兼CEOであるPeter Beck氏は、TROPICSへの期待について、ハリケーンのデータをより迅速に提供して早期に警報を出し、人々の生命を救うことに貢献できる可能性がある、と述べた。

2回目のTROPICSの打ち上げは、「Coming to a Storm Near You」のミッション名で、2023年5月25日に成功した。

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