米Virgin Galactic、民間宇宙旅行に向けた宇宙船「VSS Unity」の最終試験を完了

Virgin Galactic/YouTube

米Virgin Galacticは2023年5月25日、同社の商用宇宙飛行に向けた最終試験にあたる「Unity 25」を完了したと発表した。これにより、宇宙船を含むシステムの動作と、飛行体験の双方が確認されたかたちだ。

同社の宇宙船「VSS Unity」は、地上からは母艦となる航空機「VMS Eve」に搭載されて離陸する。高度15km近くまで上昇したのち、母艦から切り離される。その後、VSS Unityは自身のロケットエンジンに点火して上昇し、「サブオービタル宇宙域」と呼ばれる高度約80~100kmに到達して、無重力体験を経て帰還する。

同船の特徴は、大気圏再突入時に機体を変形させる技術、「The Feather」だ。これにより、宇宙船の翼部分の先端と胴体を約90度ねじる態勢を取る。

VSS Unityは降下する際、降下方向に胴体下部を向ける。これにより、宇宙船の下面に摩擦熱を拡散させ、熱と速度を制御する。その後、所定の高度まで降下したところで機体を元の状態に戻し、着陸する。

Unity 25の行程は、ニューメキシコ州のSpaceport Americaから離陸し、高度約14kmでVSS Unityを分離した。VSS Unityの搭乗者は、2名のパイロットと4名のクルーだ。VSS Unityは、高度約87kmの宇宙空間に到達後、帰還した。なお、飛行中の最高速度はマッハ2.94を記録した。

関連情報

Virgin Galactic Completes Successful Spaceflight | Virgin Galactic

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