4インチ窒化アルミニウム単結晶基板の製造に成功――外部販売も強化 旭化成の子会社 米Crystal IS

旭化成は2023年8月21日、同社子会社の米Crystal ISが、4インチ(直径100mm)の窒化アルミニウム単結晶基板(AIN基板)の製造に成功したと発表した。旭化成によると世界初となる。

Crystal ISのAIN基板は、欠陥密度が低く、紫外線透過性が高く、さらに不純物濃度が低いという特徴があるという。これを活かして、これまでは殺菌用途向けのUV-C(深紫外線)LEDでの活用を進めてきた。

しかし、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)よりも電力損失が小さく、エネルギー効率にも優れるため、次世代パワーデバイスなどでの展開を期待されている。

AIN基板製造には、2000℃以上の昇華炉内部における精緻な温度コントロールが必要になる。Crystal ISはこれまで複数回の基板のスケールアップを実現させるなど、同分野でのノウハウを蓄積させてきた。同社はこれまで2インチ基板を製造してきたが、4インチ基板の量産が実現すれば、1枚あたり従来の4倍の面積のさまざまなデバイスを製造できるようになる。

今回製造に成功したAIN基板は、その面積の80%以上が使用可能だが、2023年度中に99%以上使用可能になるよう改善していく。今後は、次世代パワーデバイスなどへの展開を見据え、AlN基板の外部販売に向けた活動も強化する。

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世界初、4インチ窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板の製造に成功 | 2023年度 | ニュース | 旭化成株式会社

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