- 2023-9-7
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- 5G, ESA(欧州宇宙機関), Javier Benedicto, JoeySat, OneWeb, SatixFy, インターネット接続, ビームホッピング(beam-hopping)技術, マルチビームフェーズドアレイ, 低軌道(LEO)通信衛星, 通信衛星
欧州宇宙機関(ESA)は2023年7月30日、5G通信の次世代機能「ビームホッピング(beam-hopping)技術」を提供する通信衛星「JoeySat」の、軌道上での最初の試験に合格したと発表した。同技術は、送信ビームを複数の地域に対して切り替えながら照射する機能だ。
JoeySatの導入目的は、地球上のさまざまな地域で暮らす人々や、船舶や航空機で移動中の人々に対するインターネット接続の提供だ。さらには、災害発生時などで緊急的に必要になる通信手段を、迅速に提供することを目指す。
ESAは、低軌道(LEO)通信衛星を運用する英OneWebとの協力体制によって、1年でJoeySatのシステムを構築した。JoeySatのペイロード開発は、イスラエルの通信機器メーカーSatixFyが担当し、イギリスの拠点で環境試験を完了した。
JoeySatは、2023年5月20日に地球の低軌道に打ち上げられ、それ以来、プラットフォーム機能と搭載したペイロードの試運転を実施してきた。今後、照射ビームの制御機能であるマルチビームフェーズドアレイを始めとする新機能を、1年間にわたり試験する予定だ。
ESAでコネクティビティとセキュア通信を担当する、ディレクター代理のJavier Benedicto氏は、商業ニーズに応えるために、市販部品の使用や柔軟なプロジェクト管理手法など、効率的な開発体制のもとで活動していると説明した。