Caltech、全天マップを作成する宇宙望遠鏡「SPHEREx」を公開

Credit: NASA/JPL-Caltech

カリフォルニア工科大学(Caltech)のケイヒル天文学・天体物理学センターの地下研究室で、小型で強力な望遠鏡「SPHEREx」が一連の厳しいテストを受けている。

カリフォルニア工科大学の物理学教授で、SPHERExチームのメンバーであるStephen Padin氏は、「SPHERExは小さな望遠鏡ですが、視野が非常に広いため、膨大な量の光を集めることができます」と説明する。

この最新鋭の望遠鏡は、正式名称を「Spectro-Photometer for the History of the Universe, Epoch of Reionization and Ices Explorer」といい、2025年4月までに地球周回軌道に打ち上げられる予定だ。そのミッションは、赤外線の波長で全天をマッピングし、何億もの星や銀河の画像を、そのスペクトルデータとともに記録する。これにより、天文学者が宇宙の大規模構造を追跡することを可能にし、138億年前の宇宙の誕生に関する疑問や、恒星や惑星系が形成される領域における水や氷の存在量を調べることで、水がどのようにして地球に到達したのかという謎を解く一助となるだろう。

SPHERExの宇宙探査への準備を確実にするために、科学者たちは困難な課題に直面した。この望遠鏡は、温度がマイナス200℃まで急降下する宇宙空間の過酷な条件に耐えなければならない。この極限状態をシミュレートするため、SPHERExチームは韓国天文研究院(KASI)と共同で専用チャンバーを製作した。このカスタムチャンバーはケイヒルの地下室に設置され、望遠鏡の焦点が合っていること、そして打ち上げの揺れを通して焦点が合っていることなど、一連のテストに使用されている。

SPHEREx は、NASA 天体物理学部門のJPL によって管理されている。SPHERExが収集したデータは、アメリカと韓国の10の研究機関の科学者チームによって分析される。カリフォルニア工科大学のIPACで処理され、アーカイブされたデータセットは一般に公開されるということだ。

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