17歳の学生、建物火災時に人を探索する無人ロボットを開発

National Inventors Hall of Fame - NIHF/YouTube

アメリカのスタートアップ企業Paradigm Roboticsが、消火活動に従事する無人ロボット「Firebot」の商品化に取り組んでいる。Firebotを発明したのは同社の創設者兼CEOを務めるSiddharth Thakur氏。2021年の開発当時、彼はわずか17歳だった。

Thakur氏がFirebotを開発するきっかけは、2021年からさかのぼること4年前、ヒューストン・コミュニティ大学で高校生科学プロジェクトに取り組んでいた際、消防士の殉職事故を耳にしたことだった。すぐにプロジェクトのアドバイザーに相談すると、地元の消防署へ話を聞きに行くことになったという。そこで彼が気づいたことは、消防士が建物火災で人を捜索する際に直面する危険と、それに対処できるテクノロジーの欠如だ。これは決して局所的な問題ではなく、どこの消防署も同様の課題に直面している。同社によれば、アメリカでは毎年48万件以上の建物火災が発生しているが、消防士は建物内に何があるかわからない状態で人命救助に挑み、そのうち60%は中に要救助者はいなかったという。

こうした状況を知り、自身のエンジニアスキルを消防士の安全向上に役立てたいと思ったThakur氏はロボットの開発に着手。いくつかのプロトタイプを経て、テキサス大学オースティン校在学中にFirebotを発明した。消防士による遠隔操作により、火災発生中の建物内で人や有害物質の位置を効率的に特定するFirebotは、耐熱性に優れ、1000℃で15分間、300℃で45分間の稼働が可能。駆動方法には軍事用途のロボットなどのメカニズムを応用し、階段や瓦礫などを乗り越えるという。

Thakur氏は自身の技術革新への情熱のルーツについて「高価なセットではなく、バラバラのレゴのパーツが入った袋をもらったときから始まった」と語る。数少ないブロックと滑車を使って車を作り始め、ギアとトルクについて学ぶと、彼のレゴ作品は単純なドライブトレインから複雑なレゴマシン、リモコン仕様のフォークリフトやロボットに進化していった。そしてFirebotの市場投入により、消防士や被災者の命を守るという課題解決に挑戦することになる。

関連情報

This First-Year Student Invented a Fire-Fighting Robot
FireBot | FireBot

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