米Lockheed Martin、宇宙向け原子力電気推進開発に向け約48億円を獲得

米Lockheed Martinは、核分裂反応を利用する高出力発電および宇宙空間での電気推進開発プログラム「Joint Emergent Technology Supplying On-orbit Nuclear(JETSON)」に対し、米空軍研究所(AFRL)から3370万ドル(約48億円)の資金を得る契約を獲得したと発表した。

JETSONプログラムは予備設計審査段階に入っており、詳細設計審査(CDR)段階まで進む選択肢もある。同社は、原子力と原子炉設計に関する専門知識を持つSpace Nuclear Power CorpとBWX Technologiesの両社をパートナーとして、同プログラムを進めている。

JETSONは、原子炉(リアクター)で熱を生み出し、その熱をスターリングエンジンに伝達して6~20kWの電力を生成する。この技術は、一般的に約600Wの発電能力を持つソーラーパネルで動作する宇宙船よりも、はるかに高い電気を出力できる可能性があるという。このような原子力発電サブシステムは、太陽から離れた宇宙空間での深宇宙探査ミッションや、太陽光が常に当たらない場所で最適な代替手段になるといえる。

他の宇宙原子力プログラム同様、JETSONでも安全性が最優先される。打ち上げ後、宇宙船が地球から遠く離れた安全な軌道に入るまで、原子炉の電源は入らず、核分裂プロセスが始まらないように設計されている。

JETSONプログラムマネージャー兼主任研究員のBarry Miles氏は「宇宙用の核分裂開発は、広大な宇宙を移動し探査する方法を劇的に変える可能性がある技術の鍵となる」としている。

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Lockheed Martin Jets into Nuclear Electrical Spacecraft Power | Lockheed Martin

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