スズキ、スーパースポーツバイク新型「GSX‐R1000R ABS」の日本仕様を発売

スズキは2017年7月12日、同社のスーパースポーツバイク新型「GSX‐R1000R ABS」の日本仕様を7月28日に発売すると発表した。

「GSX‐R1000」は、高性能スポーツバイクGSX‐Rシリーズの最上位モデルとして2001年より欧州、北米等で販売を開始。今回のモデルは6代目で、8年ぶりの全面改良となる。初めて日本仕様を設定し、「走る・曲がる・止まる」の基本設計を見直し、MotoGPで培った技術を採用してさらに進化させている。

新開発となる総排気量999cm3の直列4気筒エンジンは、MotoGPで開発した技術を取り入れた新機構「ブロードパワーシステム」を採用している。同システムは、高回転域での出力向上と低中速域での出力を両立する技術で、4つの機構からなる。

吸気VVT(可変バルブタイミングシステム)は、インテークカムスプロケットに内蔵されたガイドプレートに斜めに溝が刻まれており、ある回転数以上になると12個のスチールボールが遠心力で溝に沿って移動する。この時インテークカムスプロケットを回転させ、インテークバルブタイミングを遅らせることで、高回転域でのパワーアップが可能となる。

スズキ二輪車初の電子スロットルは、軽量コンパクトなスロットルボディに、シングルバタフライバルブを備え、先進のエンジンマネジメントシステムによって制御される。各シリンダーには、エンジン稼働中常に燃料を噴射するプライマリーインジェクターと、高回転域で作動するトップフィードインジェクター(TFI)を備える。TFIは燃焼効率、スロットルレスポンス、最高出力を向上させるために最適化された燃料を噴射する。

また、従来型のGSX-R1000に採用してきたスズキエキゾーストチューニング(SET)(エンジン回転数、スロットルポジション、ギヤポジションに基づき、ミッドパイプに内蔵されたサーボ制御のバルブにより排圧を最適化して全回転域でのトルクを向上させる機構)を進化させたスズキエキゾーストチューニングアルファ(SET-A)を新たに開発。バタフライバルブを追加し、低回転域ではSET-Aバルブを閉じトルクを増加。高回転時にはバルブを開き、容量増加と排圧低減、排気脈動効果により、高いパワーを実現する。

車体の面では、新開発のフレームは全幅を抑えて空力性能を高め、メインフレーム部分で約10%軽量化しながら強度の最適化を図っている。またエンジンの搭載角度を変更し、前輪の中心からスイングアームの前軸までの距離を短縮してコーナリング性能と操縦性を高めた。

装備面では、レースで開発されたショーワ製の高性能な前後サスペンション、BFF(バランスフリーフロントフォーク)とBFRC lite(バランスフリーリヤクッションライト)を標準装備。前輪にはブレンボ製モノブロックラジアルマウントブレーキキャリパーを採用。制動力をより効率的に伝達できるブレンボ製Tドライブブレーキディスクを量産車向けに改良して装備した。

ABSには、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)により、フルブレーキ時に後輪が浮くのを抑制する「モーショントラック・ブレーキシステム」を採用。さらに、コーナリング時のブレーキングでも、傾斜角度を基準にフロントブレーキ圧を最適化して、フロントタイヤのグリップ低下を抑止する機能を装備している。

さらにライダーをサポートする電子制御として、制動時の姿勢を安定させる「モーショントラック・ブレーキシステム」や、エンジン出力を制御し10段階から選択できる「モーショントラック・トラクションコントロール」などに加え、スムーズな変速を支援するクイックシフトシステムを採用した。

最高出力は145kW/1万3200rpm、最大トルクは117Nm/1万800rpm。車両装備重量は203kgとなっている。エンジンは平成28年国内新排出ガス規制に対応するとともに、国内専用装備としてETC車載器を標準装備している。

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