大気中から回収したCO2で高純度ガスを製造するシステムを開発――持続可能な航空燃料の生産に使用

英ロンドンに拠点を置くスタートアップMission Zero Technologies(以下、Mission Zero)は、大気中のCO2を回収して高純度ガスを製造するシステムを開発した。英シェフィールド大学エネルギー研究所の試験実証施設Translational Energy Research Centre(TERC)に納入されたシステムは2023年12月11日に稼働開始した。

TERCは、このシステムが大気中から回収したCO2を使用して、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)のエンド・ツー・エンド生産を検証する。

Mission Zeroが開発した「Direct Air Capture(DAC)」と呼ばれる技術は、大気を取り込み空気中のCO2を分離、濃縮して高純度ガスにする。同社はDACについて、人体がCO2を細胞組織から肺へと運び、体外に排出する仕組みから着想を得た、有機的なプロセスだとしている。

これにイオン選択性の電気化学的なCO2分離プロセスを結合させ、継続的かつ効率的にCO2を大気から取り出して純ガスを精製する。TERCに設置されたDACシステムは水と太陽光発電のみを使用して、年間50トンの高純度CO2を回収する予定だ。

Mission ZeroのCEOであるNicholas Chadwick博士は「DACは産業の脱炭素化と永続的なカーボン除去を推進できるマルチユースな技術だ」としている。

関連情報

Mission Zero Technologies turns on UK’s first direct air capture plant with the University of Sheffield | Business Wire
Mission Zero turns on UK’s first direct air capture plant to enable jet fuel made from air — Mission Zero Technologies – Home & News
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