- 2024-1-18
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- 3Dモデリングソフトウェア, Boeing, MD-90, NASA, TTBW), X-66 Sustainable Flight Demonstrator(SFD), サステナブル, タイムラプス動画, ネットゼロ, 実験航空機, 温室効果ガス, 遷音速トラス支持翼(Transonic Truss-Braced Wing
米Boeingは、サステナブルな飛行性能を目指し、NASAの設計協力のもと、実験航空機「X-66 Sustainable Flight Demonstrator(SFD)」を開発中だ。同社は2024年1月8日、X-66の原型となる旅客機「MD-90」を改修する様子を、タイムラプス動画で公開した。
MD-90の改修作業では、エンジンを取り外してジャッキアップし、機体構造の3Dレーザースキャンを行った。その後、主翼を取り外し、X-66の特徴である「遷音速トラス支持翼(Transonic Truss-Braced Wing, TTBW)」をテストする。
TTBWは、超薄型の主翼で、広い翼幅と高いアスペクト比を持つ。さらに、胴体下部から伸びて主翼を支える支柱を持つ特異な構造で、空力効率を高める狙いがある。この特徴により、燃料の使用量と温室効果ガス排出量を大幅に削減できるとの期待がある。
アメリカ政府は、航空セクターにおける温室効果ガス排出量について、ネットゼロの達成を目指している。X-66は、その目標に向けた一助になると期待されている。
開発では、3Dモデリングソフトウェアを使用して、スキャンしたMD-90の構造データに、新造予定のコンポーネントのデータを重ね合わせる作業を予定している。この作業により、改造工程で想定されるリスクを早期に特定し、低減する。
X-66の地上運用と飛行テストは、2028年に開始される予定だ。